2014年2月1日土曜日

街とカフェ -私がカフェに行く理由 その1-

みなさんは”カフェ”と聞くとどういうお店を想像しますか?

また、”カフェ”に何を求めて行きますか?


”カフェ”の語源は”cafe”、すなわちコーヒーのことであり、

食事をしなくとも、飲み物だけ味わうこともできることが前提と考えるべきですが、

日本全国にはさまざまな”カフェ”の名のつくお店、

また、”カフェ”に分類されるお店があり、進化をつづけてきたため、

世界の”cafe”にはない、日本の”カフェ”の特徴、魅力があると思います。




私が今まで全国回ってきた経験からおおざっぱに言うと、

都会の比較的中心部にありながら、

洗練された空間、独特のメニューなどで人を惹きつける”街カフェ”

そして、

都会でも中心から離れた郊外や地方の外れた場所にあり、

地方独特のゆるやかさ、新鮮な素材などで人を惹きつける”旅カフェ”

が日本の「カフェ」で多くの人たちの支持を得ているのではないかと思います。


今日は、その”街カフェ”の代表格であり、私の一番お気に入りでもあった tocoro cafe についてお話します。



tocoro cafeは、三軒茶屋から約10分歩いた住宅街の中にあり、

8年近く続けられ、昨日カフェ営業を終了しました。


このお店の魅力は、とても語りつくせないのですが、

有名デザイナーがアレンジした温かみのある空間



店主さん御夫妻がつくるオリジナリティあふれるコーヒーとスイーツ



そして、来店したお客さんのほとんどを記憶している、

店主さんの緊張感のありながらも優しく温かい人柄

がこのお店が多くのお客、そして常連さんに支持され、愛されていた理由であったかと思います。



このお店は私のカフェ人生そのものと言ってもいいくらい、

いろんなコトを学ばせてもらいました。


とりわけ強く感じたのが、

カフェという空間は、カフェ業界の中か外かを問わず、

第一線で活躍されている方々や、近い感性、価値観を持つ方々が、

何か見えないチカラに引き寄せられるように集まる可能性を秘めた場なのだな、

ということです。


他の有名店の店主さんをはじめ、

具体的なお名前は伏せますが、

素描家さん、

金工家さん、

旅行作家さん、

日本茶インストラクターさん、

芋けんぴ職人さん

などが、はじめはお客さんとして来店して、

その後、このお店でのイベントを通じて御活躍されています。

私も皆さまそれぞれとお話する機会がありましたが、

それぞれ物腰やわらかく謙虚ながらも、内に秘めた強く熱い意志がうかがい知ることができる、

素晴らしい方々です。


また、一般のお客さんも、

すぐれた感性や趣味をお持ちの方が多く、

昨日のカフェ営業最終日でも、

はじめてお会いしたにもかかわらず、

さまざまな話で盛り上がり、充実した時間を過ごすことができました。


駅前や近くにあるから、たまたま入るのではなく、

決して便利なロケーションにない、個性的な”街カフェ”にわざわざ通う人には、

目には見えない何か共通のモノがあるのでしょうか?


思えば、世界史の教科書や趣味の雑誌で、

フランス・パリのモンマルトルなどのカフェに、

後に有名になる画家などが入り浸り、

何時間も議論を戦わせ、親交を深めたという話を見かけます。


こういうのは、古きよき昔の話で、

今はなかなかないものだと、どこか決めつけていました。

カフェは今もなお、可能性を秘めた場所なのですね。



もちろん、このお店が成り立っていたのは、

店主さん御夫妻の並々ならぬ努力、向上心の賜物であるにほかなりません。

生活のかなりの時間をカフェにささげられ、本当に大変だったと思います。

でも、tocoro cafeのコンセプトの、

「心とココロがであい、つながるトコロ」

最後までしっかりとカタチにされていましたね。

本当にありがとうございました。


最後に、tocoro cafe つながりのある方とのメールのやりとりで、

とても染み入るコトバがありましたので、

一部引用させていただきます。


"tocoro cafeで出会えたことは宝です。

閉店してしまうのはとても寂しいのですが

こうして、繋がっていることで、

目に見えないけれども

tocoro cafeは続いていくような気がします。"


まさしく、カフェの思い出はずっと人の心に残っていくものだと、

確信したコトバでした。

tocoro cafeの第二章でのますますの御活躍、

期待してます。


==========

今日は、私の一番好きな”旅カフェ”にきています。

次の記事では、

今度は”旅カフェ”にスポットを当ててみたいと思います。

おたのしみに。

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