前の記事で書いたとおり、
日本のカフェの特徴となるものとして、
都会の洗練されたお店とは別の魅力を持った、
旅をするように特別な時間が流れる、
わざわざ足を運びたくなるようなお店、”旅カフェ”があると思います。
今日は、そんな”旅カフェ”の中でもっともお気に入りの場所、
山梨県の一番西の端に位置する、北杜(ほくと)市のくじらぐもを紹介します。
新宿から、中央線をトコトコ、ひたすら乗りつぐこと、約3時間。
立川を越え、八王子を越え、相模湖や大月、さらには甲府を越えて進み、
あたりがすっかりのどかな風景に包まれた無人駅がくじらぐもの最寄り駅。
(※この最寄り駅付近は、普段は何も無い寂しいトコロなのですが、
春は一面桃源郷になります。おすすめ。)
最寄り駅といっても、お店まで歩けば60分。折りたたみの自転車を使っても30分弱。
急な坂を下り、あたりが開けたと思ったら、今度は上り・・・。
お店までの道のりは、とてもとても長く平坦ではないのですが、
途中のトコロドコロに見える富士山や八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳などの風景が癒しになります。
お店がある一帯の北杜市明野は、日本でもっとも日照量が多い土地といわれ、
夏には日本一の規模と呼ばれるひまわり畑が広がる素敵な場所です。
そんな明野の畑が広がる一帯の中、
遠くからでもかすかに見えるランプがともる古民家が見えたら、
そこがくじらぐもです。
お店の入り口ではやぎさんたちがお出迎え。
ほかにも、お店の外には井戸や土蔵などのいろんなものがあり、
行くたびに増えたり、変わっています。
お店の中に入ると、店主さんのお人柄を現すように、のんびりした時間が流れ、
スイーツやコーヒーを楽しみながら、
本を読んだり、うさぎちゃんと遊んだりもできます。
地方ならではの地域や人とのつながりを実感できること。
店主さんのお友達のネットワークから、イベントが多く開かれ、
また、イベントの無い日でも、地元でいろんな活動をしている方々が訪れていて、
お話するチャンスなどもあります。
また、くわしくはお店でぜひ実感してほしいのですが、
店主さんの生活と、カフェの営業は、いろんな意味で切っても切れない関係となっていて、
お店は、地域のいろんな人と助け合いで、成り立っていることが分かります。
そんな話や様子が、(実際は、大変なことも多いと思いますが)
都会ぐらしの私にとっては、
とてもほほえましく、とてもいとおしく、
行くたびに幸せなキモチになれる場所になっています。
決して便利な場所ではなく、人がひっきりなしに訪れるような有名な場所でもない。
いろんなモノがないけど、でも、なにかがある。
自分にとって、そんな場所が、そんなお店があることに感謝しつつ、
これからも通いたいと思います。
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