私がこのブログを始めたとき、
メインと据えようと考えた内容の1つが、美術館の話題でした。
美術は、ジャンルもさまざま、好みもさまざまなものなので、
あまり積極的にお話しすることは多くありませんが、
自分としては、カフェと同じかそれ以上に大事にしている分野です。
美術館で絵や彫刻などの作品に触れる時間、
それらと向き合って、モノの見方を考える時間は、
感性をにうるおいを与えるものであり、
自分の人生にとってなくてはならないものになっています。
このブログのラベル「美術館」では、
ほかのラベルに比べ、やや説明口調になってしまっている記事が多いかと思いますが、
日本のいろんな美術館の魅力を少しでもお伝えできればいいな、と思います。
もしご関心があれば、読んでいただければ幸いです。
==========
(注:ここでは、文章が堅苦しくならないよう、都道府県のことをまとめて「県」と呼びます。)
日本には、全国に約450もの美術館があるそうで、
(参考:文部科学省HPhttp://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa02/shakai/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2013/05/09/1334547_02.df)
また、いわゆる「○○県立美術館」(○○は県の名前)、
「△△市立美術館」(△△は県庁所在地の名前)
といった公立の総合美術館(このブログでは、以後、「県美術館」と呼ぶことにします)は、
山形県と鳥取県を除く45県それぞれにあります。
(※山形県には財団法人運営の「山形美術館」があり、
鳥取県では「鳥取県立博物館」が美術館の役割を兼ねています。)
これだけ美術館に恵まれながらも、
日本全国の人々や外国人観光客によく知られているものはあまり多くなく、
「もったいな」
というのが私の正直な感想です。
私は、美術を専攻したわけでなく、いわゆる”素人”の目線ではありますが、
現在のところ、45か所の「県美術館」のうち、宮崎県を除く44か所を訪問し、
そのほか、数多くの私立美術館をみてきました。
この経験を生かして、と言ったら大げさですが、
日本全国にはこんな美術館があるぞ、というのを紹介できたらと思います。
==========
初回は、私の地元、神奈川県の横浜美術館を取り上げます。
横浜美術館は、横浜のメジャー観光地、みなとみらい地区にあり、
ランドマークタワーやクイーンズスクエアからも近いため、客層も若者が多い印象を受けます。
ここで開かれる企画展は、日本画、西洋画、現代アートなど、なんでもアリですが、
全国のほかの美術館でも行われるような巡回展示も開かれる一方、
大規模なオリジナルの展覧会も比較的多いと感じます。
最近だと、横山大観展(2013年)、歌川国芳展(2012年)、
エドガー・ドガ展(2010年)、源氏物語展(2008年)など。
常設展示は、定期的に入れ替えがありながらも、
ほぼいつも目にかかれる作品もいくつかあります。
実は、ここの美術館の大きなポイントだと思いますが、
常設展示のかなりの作品が撮影可なのです。
ほかの美術館もぜひ見習ってほしいですね。
常設展示の一番最初に置かれているコトが多いのが、下の写真、
江戸時代幕末に、黒船が浦賀に来航した時の様子を描いた絵です。
日本史の教科書でよく目にしますね。
ここ横浜美術館は、シュルレアリスムのコレクションが比較的充実しています。
シュルレアリスム(フランス語:surréalism)とは、
sur=上、超
réalism=現実主義
すなわち、現実ではあり得ない世界、人の潜在意識や夢の世界などについて描いたもので、
殺風景な荒野にぐにゃりとした時計が置かれた絵で有名なサルヴァドール・ダリや
夜の神殿に無表情な女性がたたずむ絵などが特徴的なポール・デルヴォーなどが有名です。
ちなみに日本語の「シュール」の語源にもなっています。
下の写真は、ルネ・マグリットの作品ですが、
彼の作品はぱっと見では気付かないものの、よく見ると「あれ?」と思わせるような、
遊びゴコロのあるものが多いです。
このほか、札幌のモエレ沼公園や、広島の平和大橋のデザインなどで有名な
イサム・ノグチのオブジェもいくつか展示されています。
イサム・ノグチと横浜とのかかわりでは、
横浜の郊外、長津田の近くにあるこどもの国にも多数作品があります。
鎌倉の神奈川県近代美術館(明治時代以降の日本美術が中心)、
箱根のポーラ美術館(印象派前後の西洋美術や装飾品が中心)がありますが、
横浜と鎌倉と箱根の街が、同じ県にありながら全然違う個性を持つように、
美術館もそれぞれ得意とする分野や方向性が違っていて面白いですね。
残り2つについても、いずれ取り上げたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿