2014年2月21日金曜日

続ける力、受け継ぐ力 -私がカフェに行く理由 その2.5-


※次に、別の内容の記事を更新しようと考えていたところ、

 一通の心温まるメールをいただいたのをきっかけに、

 急きょ、カフェへの思いをつらつらと語ってみました。

 ということで、タイトルも「2.5」。

 よろしければ御覧ください。



皆さんもニュースなどで御存知だと思いますが、

先週末の大雪で、とりわけ山梨県では記録的な豪雪となり、

ライフラインや交通手段が切断されるなど、

まさしく災害と呼ぶべきレベルの影響が出ています。


この記事で紹介したカフェ、くじらぐもさんも、

大雪で広い庭が雪で埋めつくされるほどの被害を受け、

現在お店をお休みされているとのこと。


私も何も力になれないながらも、

せめて励ますくらいはできないかと、お見舞いのメールを送ったところ、

「元気でやっているから心配しないでね」との返信がすぐにあり、

「仕事の準備あわただしいだろうけど、楽しんでね」と逆に励まされてしまいました。

なんとポジティブなんでしょう。

伊達にお店を6年以上やられていませんね。


災害をはじめ、カフェを続けていくには、

お客の立場からはとても想像できないような苦労、困難があると思います。

ある有名なカフェライターさんが、

「いつまでもあると思うな 親とカフェ」

と言っているのはまさしくそのとおりで、

私の個人的な感覚だと、新しく開いたお店のうち3年以上続くものは、

半分に過ぎないように思えます。

売り上げの事情、御家族の事情、仕入れ先の事情、御近所の事情などなど・・・。

また、ここでは、詳しくは書けませんが、

店主さんは続けたくとも、理不尽な理由で続けられなくなったお店の話も聞きます。


このように、お店を続けるには様々な困難があるのですが、

それでもなお、力をあわせて乗り越え、

前向きに取り組むお店には、ほかのお店にない、芯の強さ、惹きつけられる力を感じます。

(やむをえない理由などで早く閉められたお店が悪い、ダメだという意味ではありませんよ)


街には没個性的なチェーン店があふれ、

お店が激しく入れ替わっている今の世の中、

経済的なイミでは、そちらの方が合理的だと思いますが、

一方で、同じ場所でしっかりと根をはって、なんとか背を伸びそうと、

美しい花を咲かそうと頑張っているお店を応援しようという風潮があってもいいと思うのです。


今回の大雪で、くじらぐもさんだけでなく、多くのカフェもダメージを受けたと思いますが、

苦しい中でも何とか乗り越え、続けていってもらいたいと切に願います。


==========

災害つながりでもうひとつのお話。

2011年の東日本大震災は、

カフェ業界そのものを大きく変えてしまったと言っても過言ではなく、

多くの有名なお店も閉店、移転をしました。


神奈川県逗子市にあった「coya」さんもそのひとつで、

神奈川県内、県外から多くのお客さんを集める人気店だったと聞きます。

そのcoyaさんの跡地を引き継いだのは、隣町の葉山町にあった「ビーチマフィン」さんでした。

(※詳しくは、朝日新聞のこの記事を御参照ください。)





coyaさんは、以前は別の商店だったのをリノベーションしたお店で、

料理ももちろん、その雰囲気でも多くのお客さんを惹きつけていたそうですが、

ビーチマフィンさんも、coyaさん時代の和テイストを採り入れたオールド・モダンな雰囲気を引き継ぎ、

異空間のような、でも懐かしいような、素敵な空気が流れるお店でした。

私がビーチマフィンさんを訪れたのは、真冬の比較的寒い日でしたが、

オープン直後に次々とお客さんがやってくるのに驚いた記憶があります。





coyaさんとビーチマフィンさんでは出す料理や客層も異なるので、

基本的には違うお店のはずなのですが、

根っことなる建物や中の雰囲気など、共通するものもあるので、

変わらない部分を懐かしみ、違う部分を楽しめるという意味では、

同じ”カフェ”のジャンルに属するお店に引き継がれてよかったなと思います。


このように、カフェから別のカフェに引き継がれる例としては、

ぱっと思いつく限りだと、

東京吉祥寺のfloorさん→base cafeさん→ヒトトさん

東京経堂の9 chairさん→クルミ堂さん

地方だと、名古屋のnuts cafeさん→薬草labo棘さん

秋田の石田珈琲さん→カフェエピスさん

などがあります。


まったく同じ形・姿というのはむずかしいのかもしれませんが、

少しばかり変わりながら、よい部分が受け継がれていくのも、

お店の在り方のひとつだと思います。

温故知新。

続けることができなくなったとしても、

志をもった違う人へ。


長々ととりとめのない文章になってしまいましたが、

日本のカフェ文化が、これからも、よい形で続けられ、受け継がれていくことを心から願います。

私も、良いお店が進化するさま、受け継がれていくさまを、そばから見届けるべく、

これからも素敵なお店を探していきたいと思います。

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