2014年1月19日日曜日
違う言語を学ぶコト -間合いについて-
半年後、海外で生活するので、
今まで知りもしなかったフランス語を勉強中です。
フランス語は、文法も表現も日本語とかなり離れており、
簡略化・合理化された英語とも違う部分があり、
面倒なコトも多いのですが、
新鮮に思えるコトもあります。
今日は、そんなお話の一例です。
フランス語の二人称(相手を指すコトバ)は、
「tu(トゥ)」と「vous(ヴ―)」
という二種類があり、
「tu」が親しい人に対して、
「vous」がそれ以外の人に対して使うとされています。
(※だから、日本人にもなじみのある「s'il vous plaît(シルヴプレ)」(お願いします、の意味)も、
「tu」を使う相手には「s'il te plaît」となります)
このシステムは、日本語や英語には無いもので、面白いと思うのです。
例えば、一般的には、「tu」は家族や恋人、ごく一部の親しい友人にしか使わないそうですが、
やはり、個人差があるそうで、
人がどの程度の範囲の人に対して「tu」を使うかで、
その人の人となりがなんとなく分かったり、
逆に、相手が自分をどう呼ぶかで
相手が自分に対してどのくらい親近感を持っているのかが分かります。
「この人に対しては、どれくらいの間合いで、会話をすればいいのかな?」
そんなことを探り合いながら、会話をする―
自分が相手との距離をどう感じているのかを、はっきり口に出すだけでなく、
シグナルを出しつつ、会話をする―
人間のコミュニケーションでの知恵っていろいろあるんですね。
ちなみに、
最初は「vous」で呼び合っていた仲の人たちが親しくなって、
「tu」で呼び合おうよ、となることも、ごくたまにあるそうで、
御丁寧にも「tutoyer」(=「tu」で呼び合うこと)というコトバもあります。
さらに、
フランス語に言葉の由来が近いスペイン語では、
「tu」と「vous」の区別に加えて、さらに一人か複数人かで細分化しているそうですよ。
陽気でおおらかなイメージのあるスペイン人ですが、
相手の種類の区別には気を遣っているということなのでしょうか?
違う言語を学ぶコトは、骨が折れ、ストレスに感じることも多いのですが、
こういう文化・思想の相違を楽しめる場面もあっていいですね。
※余談
このブログのタイトル
「大河の流れも一滴の雫から Les petits ruisseaux font les grandes rivières」は、
日本のことわざと、それに近いフランスのことわざを並べていますが、
実は少しだけ意味が違います。
フランス語版を日本語に直訳すると、
「小川も、(いくつか集まると、)大きな河川となる」という意味になります。
川のルーツを、わずか一滴の雫にまでさかのぼるのが、日本人らしいなと思います。
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